高等教育段階の授業における教授者のストレス過程 : ストレッサー・対処行動の様相

書誌事項

タイトル別名
  • Teacher's Stress Processes in Higher Education Teaching : Stressor Appraisal and Coping.
  • コウトウ キョウイク ダンカイ ノ ジュギョウ ニ オケル キョウジュシャ ノ ストレス カテイ ストレッサー タイショ コウドウ ノ ヨウソウ

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抄録

近年,大学における教育的側面が検討されるようになってきた。本研究の目的は,大学授業における教授者のストレスと対処行動の過程を明らかにすることであった。研究1では大学授業における教授者の認知するストレッサーの種類を調査した。研究2では,3名の大学教員によっておこなわれた実際の7つの授業をもとにして,教員への面接や授業VTRの分析をとおして,教授者と授業中のストレッサーとの相互作用を詳細に記述した。主な結果は以下のようであった。(1)全体的には学生の反応に関するストレッサーが多いこと,(2)放置という対処が多く見られたこと,(3)教授者の経験年数が少ないほど,学生の否定的反応に関するストレッサーを多く認知していること,(4)対処行動にもかなり個人差があるということ,(5)あるストレッサーを解決しようとすると,別のストレッサーが生起する可能性があること,の5点である。これらの結果はファカルティ・ディベロップメントの観点から議論された。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 15 (3), 345-355, 2004

    一般社団法人 日本発達心理学会

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