カオティック・トランジスタ回路における同期現象

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タイトル別名
  • Synchronization Phenomena of A Novel Chaotic Transistor Circuit

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抄録

非線形システムに存在しているカオティック現象に関する研究はここ10年間に盛んに行なわれている。差分方程式を有するパルス幅変調(PWM)システムのような非線形帰還システムは、その差分方程式が各周期において周期解が存在する時にカオティック現象が発生するとBaillieulらによって1980年に報告された。また、このカオティック現象は負性抵抗のLC発振器(斉藤、1986年)、Hopf-likeの分岐現象を有するcellular neural networksの連続システム(Zouら、1993年)からも観察された。最近、カオティック・ニューロンと呼ばれるカオティック現象を発生するニューロンは合原らによって1990年に報告されている。このカオティック・ニューロンはいくつかの電子回路モデルで実現することができる。こういったカオティック・ニューロンは新しい人工ニューラル・ネットワークとしてのカオティック・ニューラル・ネットワークを有効に構成できると期待されている。しかしながら、これら回路モデルは、OPアンプ、コイル、コンデンサ、抵抗などを含んだ極めて複雑な回路構成である。この観点を充分に認識し、いかに簡単かつ少ない電子素子で分岐及びカオティック現象を発生する回路モデルを提案することは本研究の主な目的である。本研究において、反転したシグモイド関数を表すMOSインバータの非線形伝達特性を注目し、そして、この非線形特性をいかに細工してカオティック現象を発生する非線形特性に変換する方法を提案する。提案する回路モデルの構成は極めて簡単である。さらに、この簡易カオス発生回路間の同期現象をみつけることができた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1571980077358259840
  • NII論文ID
    110003248105
  • NII書誌ID
    AN10471452
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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