カード操作ツールKJエディタの実現と評価

  • 小山 雅庸
    豊橋技術科学大学情報工学系:(現)(株)松下電器産業
  • 河合 和久
    豊橋技術科学大学情報工学系:(現)豊橋技術科学大学知識情報工学系
  • 大岩 元
    豊橋技術科学大学情報工学系:(現)慶応義塾大学環境情報学部

書誌事項

タイトル別名
  • Implementation and Evaluation of KJ-Editor : A Card-handling Tool.
  • カード ソウサ ツール KJ エディタ ノ ジツゲン ト ヒョウカ

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抄録

<p>KJ法のようなカードによる情報操作を計算機上で行なうためのツールであるKJエディタについて述べる.カードは,知的作業のための最も優れた道具の一つとして広く知られているが,広い作業机を必要とし,糊づけされたカードの編集がめんどうであるなど,運用上の欠点もある.そうした欠点の多くは,カード操作を計算機上で行なうことにより解決される. KJエディタは,こうした観点からパーソナル・コンピュータ上に実現したカード操作ツールであり,特に,カードに対する高い操作性を計算機上に実現することを第一義に開発したものである.最大250枚のカードを扱え,それらをグループにまとめ,関係線で結び,図解化するための機能を有している.KJエディタのようなカード操作ツールを実現する場合,最も問題となるのは,計算機の表示能力の低さである.現在のディスプレイ能力では,取り扱うすべてのカードを一覧することができない.KJエディタではその解決策として,作業領域上を高速に画面がスクロールする方式をとった.これは,カードの移動とともに視線が移動していく机上でのカード操作をシミュレートしたもので,カードに対する高い操作性と一覧性を両立させるためのものである. KJエディタの使いやすさをカードの操作性の観点から評価するために,机上作業との比較実験を行なった.その結果,高速パニング方式がユーザの不快感を誘発する場合があり,同方式が一覧性の問題の解決には不十分であることと,基本的なカード操作の能率は机上での作業に劣ることが明らかになった.しかし,計算機の特性を利用した操作においては,机上より効率的に作業できる.KJエディタは,すでに多くのユーザに利用されており,ユーザから仄聞する感想からも,その使い勝手は十分実用レベルに達していると判断される.</p>

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参考文献 (17)*注記

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