書誌事項
- タイトル別名
-
- Genetic Diversity of the Natural Monument Nypa fruticans (Palmae) at Funaura, Iriomote Island
この論文をさがす
抄録
南西諸島西表島の船浦にあるニッパヤシ集団は1959年に天然記念物に指定されて以来,縮小の一途をたどっている。この集団の全ての個体(28個体)の遺伝的多様性をRAPDで解析した結果,27個体は全く同じRAPDバンドをもち,小型の1個体だけが僅かな多型を示した。従って,この27個体は遺伝的に同一なクローンである可能性がある。これは集団内で開花しても種子が全く形成されない事実にも関連していると思われる。ニッパヤシは根茎が水平方向に伸長して2分岐し,その各々の先端にシュートを形成しながら栄養繁殖をする性質があり,船浦においてもこの栄養繁殖によってのみ集団が維持されていると考えられる。集団サイズの急激な縮小,集団が栄養繁殖によるクローンであること,結実しないことなどを考えると,船浦のニッパヤシは絶滅の途をたどっていると言える。
収録刊行物
-
- 植物分類,地理
-
植物分類,地理 50 (2), 201-205, 2000
日本植物分類学会
- Tweet
詳細情報
-
- CRID
- 1390001204441578112
-
- NII論文ID
- 110003758720
-
- NII書誌ID
- AN00118019
-
- ISSN
- 21897050
- 00016799
-
- NDL書誌ID
- 5299163
-
- 本文言語コード
- en
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可