特異な脳血管造影所見を呈した聴神経腫瘍の1例

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  • An Acoustic Neuroma with Distinctive Angiographical Findings : A Case Report

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抄録

左耳鳴, ふらつきを訴える26歳, 男性, 頭部単純写にて左内耳道拡大, 左小脳橋角部の腫瘍はCTで等吸収, MRIで等信号を呈し, いずれも造影剤による増強効果を示した.純角徴候もあり聴神経腫瘍を疑ったが, 血管造影では左内頸動脈のテント動脈から栄養されるtumor stainがみられ, 髄膜腫も否定し得なかった.術中所見も髄膜腫様であったが, 病理診断で神経鞘腫と確定した.当施設における聴神経腫瘍の脳血管造影215例中tumor stainは15%に認められるが, 多くは椎骨動脈写, または外頸動脈写により造影され, テント動脈の関与は1%にすぎない.小さい聴神経腫瘍では稀なtumor stainも大きい場合にはしばしば出現し, その起源も多岐にわたる.

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