幻肢痛に対する神経(脊髄,視床,大脳皮質)刺激療法 : 新しい仮説と将来の展望

• 片山 容一

  日本大学医学部脳神経外科学講座

• 笠井 正彦

  日本大学医学部脳神経外科学講座

書誌事項

タイトル別名

• Neurostimulation for Conlrol of Phantom Limb Pain : Spinal Cord, Thalamus and Cerebral Cortex

抄録

幻肢痛には,脊髄.視床あるいは大脳皮質などを対象とした神経刺激療法が劇的に奏効することがある.これらは,主としてゲート・コントロール理論を根拠にしているが,それだけでは説明のつかない現象か多い.近年,一次体性感覚領野の受容野分布の両構成が幻肢痛に高い相関を示すことから,これを元に戻すことができれば,幻肢痛を治療できるのではないかと考えられるようになった.視床でも,同様の受容野分布の再構成が起きており.受容野と投射野の不一致が観察される.これによって,興奮性入力と抑制性入力の均衡が崩れることが幻肢痛の機転である可能性がある.神経刺激療法は,幻肢に相当する部分からの失われた入力を人工的に作り出し.受容野分布の構成を元に戻すことによって効果を生むのかもしれない.このような視点から,幻肢痛に対する神経刺激療法について,現在までの報告を見直した.

収録刊行物

• Japanese Journal of Neurosurgery

  Japanese Journal of Neurosurgery 12 (6), 395-401, 2003

  日本脳神経外科コングレス

キーワード

• phantom limb pain
• deep brain stimulation
• spinal cord
• thalamus
• motor cortex

詳細情報

• CRID: 1390001204407769344
• NII論文ID: 110003813852
• NII書誌ID: AN10380506
• DOI: 10.7887/jcns.12.395
• ISSN: 21873100
• ISSN: 0917950X
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcns/12/6/12_KJ00003227495/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2003306229
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可