頸動脈ステント留置術に続発したコレステロール塞栓症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Atheroembolism occurring after Carotid Stenting : A Case Report

この論文をさがす

抄録

症例は76歳,男性.症候性右頸部頸動脈高度狭窄の症例である.狭窄はステント留置術によって十分な拡張が得られ治療後の経過は良好であった.しかし,治療翌日(第1病日)より,体幹および両下肢の虚血性皮斑,急性腎不全,肝障害や筋,軟部組織崩壊を認め,コレステロール塞栓症と診断した.人工透析やLDL血漿交換療法を行ったが,急性循環不全をきたし,さまざまな昇圧,蘇生療法にもかかわらず,第3病日に死の転帰に至った.コレステロール塞栓症は脳血管領域においては稀であるが,今後,頸動脈ステント留置術をはじめ,高齢者,ハイリスク患者の血管内治療を施行する際に起こり得る重症合併症であり,十分な認識,早期の診断,治療が望まれる.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ