小笠原に特産するセボリヤブカ Aedes (Finlaya) savoryi Bohart, 1956 の雄, 蛹, 幼虫の新記載と生態に関する 2,3 の知見

書誌事項

タイトル別名
  • The new description of male, pupa and larva of Aedes (Finlaya) savoryi Bohart, 1956,with a note on its bionomics
  • 小笠原に特産するセボリヤブカAedes(Finlaya)savoryi Bohart,1956の雄,蛹,幼虫の新記載と生態に関する2,3の知見〔英文〕
  • オガサワラ ニ トクサン スル セボリヤブカ Aedes Finlaya savoryi Bohart , 1956 ノ オス , ヨウ , ヨウチュウ ノ シン キサイ ト セイタイ ニ カンスル 2 , 3 ノ チケン エイブン

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抄録

Bohartが1956年に雌8匹から記載したセボリヤブカの幼虫, 蛹を東京都小笠原諸島の父島及び弟島の海岸のロックプールから採集したので, 雌, 蛹, 幼虫の新記載を含めて, 再記載をした。成虫は, 雌ではKnight and Marksのgroup H, subgroup IIIの特徴を備えているが, 雄の外生殖器はこのsubgroupの特徴である変形鱗片(specialized scales)の房(tuft)はなく, 変形鱗片が散在し, トウゴウヤブカAedes togoiに似た形態を示している。この点から, 本種をどのsubgroupに属させるべきであるかはさらに検討を要する。蛹は, 遊泳片の後縁がなめらかで大小2本の毛を有する点, 幼虫は下唇の歯数が21∿25であることから, 本邦産のFinlaya亜属の蚊の中で最もよく似ているトウゴウヤブカとも区別出来る。本種は小笠原以外の採集記録はなく, 発生源もすべて海岸の半海水性のロックプールであった。なお弟島ではトウゴウヤブカと一諸に採集された。吸血活動は日没日出頃が活発であるが, 日中の炎天下でも人を刺しに飛来した。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 24 (2), 129-134, 1973

    日本衛生動物学会

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