野外より採集したハエ類からの腸管出血性大腸菌 O157 : H7 を含む病原性菌の分離

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タイトル別名
  • Isolation and characterization of pathogenic bacteria, including Escherichia coli O157 : H7,from flies collected at a dairy farm field

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抄録

病原性菌の指標である大腸菌Escherichia coliが, 1997年徳島県下の畜舎で採集したイエバエの体表, 消化管及び排泄物中に存在することが確認された。サシバエ及びヒロズキンバエの消化管内からも, 同様に大腸菌が検出された。また, イエバエの排泄物中から免疫磁気分離法, PCR法及び微生物同定キットを用いて調査をした結果, 腸管出血性大腸菌E. coli O157 : H7が分離された。さらに, イエバエの消化管及び排泄物中からSerratia marcescens, Enterobacter sakazakiiならびにPseudomonas fluorescens等の病原性菌が分離された。イエバエの排泄物から分離されたE. coli O157 : H7は, 作用機構の違う複数の抗生物質に耐性化しており, その耐性化傾向は人間由来のE. coli O157 : H7と類似していることが明らかとなった。以上の結果から, イエバエの消化管内にはE. coli O157 : H7を含む病原性菌が存在すること, イエバエがE. coli O157 : H7の伝播に関わっている可能性が強く示唆された。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 50 (4), 313-321, 1999

    日本衛生動物学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (28)*注記

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