昆虫成長制御剤ピリプロキシフェンのゴキブリに対する効力評価

  • 川田 均
    住友化学工業(株)宝塚総合研究所農業科学研究所
  • 小島 一郎
    住友化学工業(株)宝塚総合研究所農業科学研究所
  • 新庄 五朗
    住友化学工業(株)宝塚総合研究所農業科学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Laboratory evaluation of a new insect growth regulator pyriproxyfen, as a cockroach control agent
  • 昆虫成長制御剤ピリプロキシフェンのゴキブリに対する効力評価〔英文〕
  • コンチュウ セイチョウ セイギョザイ ピリプロキシフェン ノ ゴキブリ ニ タ

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抄録

昆虫に対して高い幼若ホルモン様活性を示すピリジルエーテル系化合物, ピリプロキシフェン(S-31183)のチャバネゴキブリに対する活性を評価した。雌終齢幼虫に対する局所施用法により, 本剤はハイドロプレンに勝る羽化阻害効果を示した。幼虫の本剤に対する感受性は, 終齢幼虫の羽化1週間前までの期間に最も高かった。また, 雌の羽化阻害の程度と次世代の産仔数の減少との間には高い相関がみられ, 羽化阻害の程度が高いほど産仔数が減少する傾向が得られた。さらに, 本剤の局所施用や本剤に対する非強制的な接触により, 若齢幼虫あるいは過剰脱皮幼虫の脱皮失敗による死亡が観察された。チャバネゴキブリ各ステージの幼虫および成虫を, ピリプロキシフェンにより処理したシェルターで飼育したところ, 床面積あたり3.8mg/m^2の薬量で個体数の増殖を抑え, 1年以内に個体群は消滅した。以上の結果より, ピリプロキシフェンはゴキブリ防除剤として有効な成分と考えられ, 実用的には成虫防除剤との組合せによって高い防除効果が期待される。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 40 (3), 195-201, 1989

    日本衛生動物学会

被引用文献 (6)*注記

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