日本における漢語「意匠」の受容と解釈 : 日本におけるデザイン思考・行為をあらわす言語概念の研究(2)

書誌事項

タイトル別名
  • How Japanese Interpret a Chinese Loan Word "ISHO" : Linguistic Conception as Design in Japan (2)

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抄録

「意匠」の語としての由来は、3世紀後半に、文章の構成の進めかたを説いた陸機『文賦』という漢籍にあり、8世紀に、杜甫が詩のなかで画の構想を苦心して構想する描写に用いた用例が広<知られる。それらの解釈は、作文や絵画の制作における「構想」「旨趣」として理解される。日本では、漢籍からの解釈が学ばれる一方で、字義の訓から、「こころだくみ」「こころのたくみ」としての解釈がなされる。このときの「たくみ」は、「匠」の字義からではなく、ヤマトコトバの語義で理解されたものとみられる。明治初期に、作文や絵画の制作に関する表現以外に、普遍的な思考・思想の上での「考案」や「工夫」といった意味で用いられたことが確認された。「意匠」は、明治の初期には多用されることばではなかったが、明治中頃になって、一般的に用いられるようになっている。Designの対訳語として用いられる以前に、日本語語彙のなかで使用された漢語としての語義の構造があきらかになった。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 50 (5), 1-10, 2004

    一般社団法人 日本デザイン学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (78)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680388773248
  • NII論文ID
    110003824944
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.50.1_5
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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