明治の辞書にみられる西洋語に対応した「意匠」の語義 : 日本におけるデザイン思考・行為をあらわす言語概念の研究(3)

書誌事項

タイトル別名
  • How "ISHO" was used as an Equivalent for Western Words in the Meiji Era : Linguistic Conception as Design in Japan (3)

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抄録

本稿は,明治期の主要な英和・和英辞書,専門用語辞書によって,日本語「意匠」と英語単語との対応関係を調査し,「意匠」の意味の考察を行なったものである。今日,designと「意匠」の対応は,おおむね「形状・色彩・横様などの結合的な考案」という意味に受けとめられている。「意匠」は,明治初期の主要な英和辞書において,構成する字義の訓「こころだくみ」として解釈された語義から,「ムナヅモリ」の漢字表記として用いられた意味合いが強く,designの'amental plan'の語義に対応していた。これは,美術や工芸の制作に限らない,一般の語法としての「心中における計画・工夫」の意であり,文脈に応じて,「企て」「胸算用」「工夫」などの類義として用いられた。調査対象とした辞書においては,図像を示すdesignへの対応はみられなかった。また,明治10年代に,哲学上の目的論(Teleology)において'adaptation of means toends'の意味で用いられるdesignに対して「意匠」があてられたことが確認された。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 50 (5), 11-20, 2004

    一般社団法人 日本デザイン学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (43)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205412063744
  • NII論文ID
    110003824945
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.50.11_3
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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