書誌事項
- タイトル別名
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- Employee Assistance Program
- サンギョウ ケイザイ ヘンカクキ ノ ショクバ ノ ストレス タイサク ノ ススメカタ カクロン 1 1ジ ヨボウ ケンコウ ショウガイ ノ ハッセイ ノ ヨボウ EAP ニ ツイテ
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抄録
最近わが国おいてEAPが注目されている.本論では,EAPの歴史,EAPサービスの基本となるコア・テクノロジー,EAPに関連した社会的動向,EAPの費用対効果に関する研究について述べる.EAPはもともとアルコール依存症から回復した従業員がアルコール依存者の仲間を助ける活動から始まったが,徐々にビジネスとなり,80代以降は,嗜癖に加えて,家庭の問題,法律的問題,経済的問題なども包括するようになってきた.日本では,EAPは当初外部で秘密裡に相談できるシステムとして関心を持たれた.最近EAPが注目されているのは,リスクマネージメントとメンタルヘルスの外注化の観点であり,精神障害のケースが職場で増加してきたからである.さらに社会的動向としてEAPに影響を与えたのは,労働省(現厚生労働省)が作成した「心理的負荷による精神障害等に係わる業務上外の判断指針」と「事業場における労働者のこころの健康づくりのための指針」である.EAPシステムには,内部EAP,外部EAP,混合型EAP,コンソーシアムEAPがある.大企業では内部EAPや混合型EAPが,中小企業では外部EAPやコンソーシアムEAPが適している.EAPコアテクノロジーには,(1)問題のアセスメントと必要に応じた専門機関への紹介,(2)危険介入,(3)短期問題解決法,(4)モニタリングおよびフォローアップ・サービス,(5)組織のリーダーに対するトレーニング,(6)組織のリーダーへのコンサルテーション,(7)組織に関するコンサルティング,(8)プログラムの推進と教育,がある.EAPの費用対効果に関する研究は限られているが,現存するデータは効果の高いことを示唆している.今後,統計学的に質の高い効果評価研究が必要である.日本において今後EAPが普及することに最も関係するのはEAPサービスの標準化と品質保証である.この意味ではEAP専門職に対する教育システムの開発が非常に重要である.
収録刊行物
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- 産業衛生学雑誌
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産業衛生学雑誌 44 (2), 50-55, 2002
公益社団法人 日本産業衛生学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204698274944
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- NII論文ID
- 110003838818
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- NII書誌ID
- AN10467364
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- ISSN
- 1349533X
- 13410725
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- NDL書誌ID
- 6131126
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可