ギ酸, 乳酸菌製剤および乳酸菌製剤と酵素剤の混合物の添加が予乾グラスサイレージの発酵品質に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of Adding Formic Acid, Bacterial Inoculant or a Mixture of Bacterial Inoculant and Enzymes on the Fermentation Quality of Wilted Grass Silage.
  • ギサン ニュウサンキン セイザイ オヨビ ニュウサンキン セイザイ ト コウソザイ ノ コンゴウブツ ノ テンカ ガ ヨカングラスサイレージ ノ ハッコウ ヒンシツ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

ギ酸, 乳酸菌製剤および乳酸菌製剤と酵素剤の混合物3種類の添加が予乾したチモシ, オーチャードグラスおよびアルファルファそれぞれの1番草と2番草のサイレージの発酵品質に及ぼす影響を調べた。その際に, 刈り取り回次別に生育期日を3回変えて材料牧草を供試し, サイレージを調製した。チモシー, オーチャードグラスおよびアルファルファの1番草のWSC含量は, それぞれ乾物中3.6-6.8%, 4.8-8.1%, 4.0-4.7%であった。オーチャードグラスとアルファルファの2番草のWSC含量は, 1番草よりも少なかった。材料牧草の生育期日の違いにより, サイレージの発酵品質が変動した。その程度は草種, 生育期日, 刈り取り回次および添加物処理によって異なった。オーチャードグラスの2番草サイレージの無添加区と乳酸菌製剤添加区, アルファルファの2番草サイレージの乳酸菌製剤添加区と乳酸菌製剤と酵素剤の混合添加区において, 変動が大きかった。3草種ともにギ酸添加区は, 生育期日および刈り取り回次にかかわらず変動が少なかった。ギ酸添加区では, チモシー, オーチャードグラスおよびアルファルファそれぞれの1番草と2番草のサイレージは, すべてに例外なく無添加区に比べて発酵品質が向上した。特にアルファルファのサイレージでは, 著しい改善効果が認められた。乳酸菌製剤添加区では, チモシーの1番草と2番草のサイレージは, 発酵品質が優れていたが, オーチャードグラスの2番草サイレージでは1番草サイレージほど明確な向上が認められなかった。アルファルファでは, 1番草と2番草のサイレージともに無添加区に比べて発酵品質が向上しなかった。乳酸菌製剤と酵素剤の混合添加区では, チモシーの1番草と2番草のサイレージ, オーチャードグラスの1番草サイレージで発酵品質が優れたが, オーチャードグラスの2番草サイレージでは乳酸菌製剤のみを添加したものよりも向上せず, 無添加区との間に有意差が認められなかった。アルファルファの1番草と2番草のサイレージでも, 乳酸菌製剤のみの添加に比べて発酵品質が向上せず, 無添加区との間に有意差が認められなかった。これらのことから, 添加物を利用してサイレージを調製する場合, 材料牧草の草種, 生育期日および刈り取り回次により添加効果が変動することが明らかとなり, それらの条件を考慮して適合する添加物を選択することが望ましいと考えられた。

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参考文献 (12)*注記

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