都市類型における医療施設整備状況の相対的評価について : 都市における医療施設整備標準に関する基礎的研究その 2

書誌事項

タイトル別名
  • ON THE EVALUATION OF NINE TYPES OF CITIES ABOUT MEDICAL FACILITIES AND MANPOWER : Study on the evaluation of medical services provided by facilities and manpower of cities-Part 2
  • 都市類型における医療施設整備状況の相対的評価について--都市における医療施設整備標準に関する基礎的研究-2-
  • トシ ルイケイ ニ オケル イリョウ シセツ セイビ ジョウキョウ ノ ソウタ

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抄録

本編で得られた結果を要約すると次の通りである。即ち, (1)医療需要との関係を考慮した都市の具体的な整備状況を表す4つの医療供給パターンを設定し, 都市類型との関係を検討することで, 都市類型に特徴がみられること, (2)各医療供給パターンとも主成分分析の「医療資源の充実性」の軸と関連が深いことが確認され, この軸が総合的な医療資源の充実性を表していることが理解できること, (3)医療施設整備状況の相対的評価数値として, 人口規模に対する医療施設標準量の設定にもとづく各施設の整備指標及び総合指標を作成することで, 都市類型における相対的な整備状況の特徴及び整備に関する類型間の階層性が明確にみられること, (4)総合指標が都市のもつ社会・経済的な集積密度と密接に関わること, などである。以上, 前編(その1)及び本編を通じて, 都市類型からみることで都市の医療施設整備状況に関する全体像を明らかにすることができ, 特に整備に関する都市の階層性を明確にすることができたといえる。これは, 県レベル, 地方ブロックレベルなどの中における都市の総合的生活環境整備条件のひとつとして最も重要な役割をもつ量的医療施設整備水準を全国的な視野から相対的に捉える上で効果的であり, 各都市をおかれている立場を理解することで対象とする都市の設定する資料として, また, ナショナルレベルの地域医療行政の視点から医療施設計画における圏域を設定する際の資料として有効であると考えられる。あくまでも, 都市類型は, 全体的な特徴をおさえ, 全国都市の中で代表的な都市の立場を表すものと理解される。従って, 実際の医療施設整備計画においては, 個々の都市の各施設の整備指標, 総合指標に着目し, 医療需要との対応関係による評価などについても検討した上で, それぞれの都市の相対的立場に応じた施設整備の目標値を勘案していくことが不可欠であると思われる。

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