コンドルの初期邸宅建築に関する研究・I : 有栖川宮邸

• 小野木 重勝

  米子工業高等専門学校

書誌事項

タイトル別名

• A STUDY ON THE EARLY RESIDENCES DESIGNED BY J. CONDER (I) : THE PRINCE ARISUGAWA'S RESIDENCE
• コンドルの初期邸宅建築に関する研究-1-有栖川宮邸
• コンドル ノ ショキ テイタク ケンチク ニ カンスル ケンキュウ 1 ユウセイガワキュウテイ

抄録

有栖川宮邸は, 有栖川宮二品仁熾親王の殿邸であり, 明治4年以来殿邸にあてられていた芝浜崎町二番地の同宮邸が, 皇太后宮の御避難所にあてられることになったため, 明治8年7月に麹町区霞ケ関一丁目二番地の副島種臣邸1万1千93坪を買上げ, 同年8月28日に移転された。しかし, 既存建物が老朽化していたため, 明治13年より殿邸の改築が企てられ, 工部省営繕局の担当で工事が実施され, そのうちの洋館はコンドルの設計によるもので明治17年7月に竣工している。同年4月より宮内省内匠課の担当で着手した庭園工事は, 翌18年6月に完成し, 有栖川宮邸としての体裁を完全にととのえることになる。「コンドル博士遺作集」は「荘重なる復興式となし, 内部諸室の意匠も都て此方針に拠れり。本建物は蓋し皇族の御殿を純洋風に造りたる嚆矢にして, 永く後の模範となりたり」と伝えている。明治29年になって, 邸地が宮内省に買上げられ, さらに31年には建物など一切が買上げられ, 37年2月8日に宮家から引渡しがあり, 2月13日付で霞関離宮となったもので, 大正10年より同12年まで東宮仮御所となり, また, 大正13年より昭和12年まで日本館が, 帝室林野局庁舎として使用されたこともあった。

収録刊行物

• 日本建築学会論文報告集

  日本建築学会論文報告集 196 (0), 73-81,95, 1972

  一般社団法人 日本建築学会

詳細情報

• CRID: 1390001205537615104
• NII論文ID: 110003882431
• NII書誌ID: AN0018882X
• DOI: 10.3130/aijsaxx.196.0_73
• ISSN: 24330027
• ISSN: 03871185
• NDL書誌ID: 342688
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I342688
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijsaxx/196/0/196_KJ00003749970/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可