岩石の変形破壊特性について

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抄録

σ_1とσ_2をピストンにより, σ_3を油圧によってそれぞれ独立に加える三軸圧縮試験によって, 強さや延性をσ_2およびσ_3の関数として求めることができ, σ_2の効果が明らかになった。1)破壊強さ, 降伏強さがσ_2の増加とともに明らかに増加する。2)σ_3の効果と反対にσ_2の増加とともに延性がいちじるしく減少する。さらに破壊角(θ), 破壊時の応力低下量(S_D), 破壊後の残留差応力(S_R)なども含めて, 破壊特性を表わすおもな諸量が一般応力場で変化する様相を知ることができた。高圧下の岩石は, スベリ面がσ_2に平行なセン断破壊を起こす。σ_2の効果は低圧の場合にいちじるしい。σ_1軸とスベリ面とのなす角θはσ_3とともに増加するがσ_2の増加とともに減少する。σ_1>σ_2=σ_3の場合のσ_2を考慮しないと実験値とくい違う。破壊挙動を特徴づける諸量に及ぼすσ_2,σ_3の影響は3種類に分けられる。1)破壊応力, 降伏応力に対してはσ_2,σ_3の影響が同符号, 2)延性, θ, S_Dに対しては反対符号, 3)S_Rに対してはσ_3の効果はあるがσ_2の効果は0である。岩石の破壊特性が大きく影響される温度ヒズミ速度, 間ゲキ流体圧などの要因についてはまだ十分には検討されていない。

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