低出力レーザー照射疼痛緩和法の咬合力を指標とした評価について

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  • The evaluation of laser irradiated pain reductive effect by occlusal force measurement

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抄録

本研究の目的は, 矯正歯科臨床における歯科用He-Neレーザー照射による疼痛軽減効果を, 咬合力測定値を指標に数値化し, 客観的に評価することである.被検者はマルチブラケット法にて矯正治療を開始する患者16名とし, 内8名には装置装着24時間後に打診痛の著しい歯牙の唇舌側根尖部付近粘膜に対しレーザー照射を行った.他8名はレーザーを照射せずコントロール群とした.装置装着前およびレーザー照射前後の咬合力測定値を比較検討し, 以下の結果および結論を得た.1. 装置装着前の咬合力を100%としたとき, 装着後に咬合力は照射群で平均38.8±23.5%, 非照射群で平均24.2±10.5%まで低下した.これは矯正力に起因する痛みの影響と考えられる.2. レーザー照射後, 照射群では咬合力は平均55.6±25.3%とレーザー照射前と比較し咬合力は有意に大きくなった.これと同時期に測定した非照射群では, 咬合力に有意な変化は認められなかった.照射群における咬合力の有意な増加はレーザー照射に伴い痛みが緩和されたためと考えられる.3. レーザー照射前の痛みを100%とした場合, 照射群ではレーザー照射に伴い痛みは平均29.6±23.6%軽減した.4. レーザー照射による疼痛の変化を, デンタルプレスケールを用いた咬合力測定により数値化し, 客観的に評価することができた.

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