成人歯科健康診査でCPITNを用いるときの評価法の検討 : 長崎県伊王島町住民の歯周組織の健康状態とその変化からみた9年間の歯科健診事業評価

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  • The Full-Mouth CPITN for Assessing Periodontal Conditions in Adults : The Effect of a Nine-Year Community Dental Health Examination Project lojima Island, Nagasaki

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抄録

長崎県伊王島町において成人歯科保健事業の一環として始まった歯科健康診査からCPITNを用いて住民の歯周組織の健康状態を明らかにし,また歯科健康診査を2回以上受診した者についてその変化から歯科健診事業の評価を行った。対象は1986年から1994年までの受診者のうち上下無歯顎者を除く20歳以上の316名,歯周組織の変化はそのうち130名(3137歯)について分析した。歯周組織の健康状態の把握には初診時の健診票をもとに「最大CPITN」,セクスタントを利用した「総セクスタントに占める各コードの割合」と歯単位による「総歯数に占める各コードの割合」の3つの方法から分析し,歯周組織の変化では個人の各歯の変化からみた人単位による効果判定と各歯の変化による効果判定を行った。その結果以下のことが明らかになった。1)各年齢階級の一人平均喪失歯数は全国より多く,最大CPITNからみた歯周組織の状態も悪かった。2)40歳未満では最大CPITNから年齢階級による歯周組織の健康状態の違いを評価できるが,その他の年齢では歯単位の分析が必要であった。3)個人の歯周組織の健康状態変化は「現状維持」32.3%,「改善」43.8%で,「改善」群は受診期間中の一人平均喪失歯数が少なかった。4)予防・治療の必要性は40,50歳代で多かった。30歳代までは予防に重点をおき,60歳以上は歯牙喪失予防のための治療が必要であった。

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