砂糖代替甘味料のin situにおける再石灰化能

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  • The Evaluation of In Situ Remineralization Potential of Sugar Substitutes

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抄録

砂糖代替甘味料は,フッ素単独の再石灰化効果に比較して,フッ素の再石灰化能を促進する作用があるか否かについて,人工齲蝕モデルを用いてin situで検討を行った。口腔内実験装置を5名の被験者(男3,女2;20歳台)に装着後,口腔内環境下でフッ素2ppmを添加した10%代替甘味料溶液による再石灰化の程度を,フツ素単独の再石灰化の程度と比較した。再石灰化能は,脱灰深度の変化ならびにミネラル喪失量の変化を指標として評価した。歯垢が常に存在する口腔内環境下では,フツ素2ppmの作用によっても約25μm脱灰が進行する所見を示した。脱灰直後の脱灰深度の平均150μmに比較していずれの群ともに明らかな脱灰傾向を示し,脱灰傾向は順番に,フツ素群-16.6%キシリトール群-8.6%ソルビトール群-7.9%パラチノース群0%であった。しかしながら,いずれの群間においても有意の差は認められなかった。脱灰直後のミネラル喪失量の平均5059に比較していずれの群ともに明らかな脱灰傾向を示し,ソルビトール群-23.8%フッ素群-20.8%キシリトール群-20.8%パラテノース群-5.1%の順であった。しかしながら,いずれの群間においても有意の差は認められなかった。フッ素群,砂糖代替甘味料群ともに本実験条件下では,脱灰抑制ならびに脱灰促進傾向を示し再石灰化所見は示さなかった。砂糖代替甘味料が唾液分泌を刺激することにより,再石灰化効果を最大限に発揮するためには,歯垢を除去した脱灰表面に刺激唾液が直接作用し,しかもフッ素入り歯磨剤などとの併用が望ましいことが考察された。

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