個別保健指導およびパンフレット郵送の成人歯科保健に対する有効性 : 成人女性を対象として

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  • Evaluation of Personalized Oral Health Program with Mailing Pamphlets for Women

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抄録

本研究は,歯科健康診査に加え個別歯科保健指導を主体とする健康教育の実施が口腔健康状態の改善や口腔保健行動の変容に与える影響を,無作為化対照試験により評価することを目的としている。2歳児健康診査受診者のうち,3歳児健康診査も受診した244人の母親を対象とした。テスト群(117人)に対しては,歯科衛生士が対象者1人あたり約10分の個別指導を実施した。指導のポイントとした点は(1)歯間ブラシ,フロスの意義と具体的な使用方法,(2)フッ化物配合歯磨剤の推奨,(3)歯科医院への定期受診の推奨の3点であった。その結果,母親の口腔健康状態には1年間で変化は認められなかった。歯間ブラシまたはフロスを補助清掃用具として使用している割合は,コントロール群では15.0%(ベースライン)から17.3% (1年後)と同様の使用率であったのに対し,テスト群では17.1% (ベースライン)から28.2% (1年後)と有意に増加した(p<0.05)。また,変数減少法による段階式ロジスティック回帰分析の結果,1年後の補助用具の使用の有無に対し,有意な要因として選択されたものは,ベースライン時の補助用具の使用(Odds比:12.56),歯科医より歯周疾患の情報入手(Odds比:3.15)および歯科衛生士による個別指導(Odds比:2.14)の3変数であった。このことは,成人歯科事業には個別指導を取り入れる必要があることを示している。また,歯科医師の指導を何らかの形で取り入れていくことが必要であると考察した。

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参考文献 (18)*注記

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