病院歯科診療室における気候環境因子を用いた重回帰式による気菌管理

書誌事項

タイトル別名
  • Airborne Bacterial Management using Multiple Regression Equations by Environmental Factors in a Dental Hospital

この論文をさがす

抄録

この研究は,病院歯科診療室で気候環境因子を用いた重回帰式による気菌管理の実用性を評価するために実施した。気候環境因子(気温,気温,気流,在室人員数,開放窓数,エアコン吹き出し口数,外気温,外気温,外気流)と気菌数(浮遊細菌-SY法,落下細菌-Koch法)を1990年に朝日大学病院の中規模診療室(矯正,小児)で,1991年に大規模診療室(補綴,保存)で測定した。そして重回帰分析により,浮遊細菌教を予測するための重回帰式が導かれた。また,4年後の1994年と1995年に測定された気候環境因子を前に導かれた重回帰式に代人し,式の実用性を評価した。次の事柄を評価した。1.気候環境因子と気菌数の差(t検定)2.重回帰式により得られた浮遊細菌の予測値が利用可能かどうか(R2, R, F)。3.重回帰式による予測値を用いた気菌の管理は実用的であるかどうか(敏感度と特異度)。気菌の許容限界値は0.2 CFU/l とした。結果として次のことが得られた。1.各診療室で4年後の気候環境因子の測定値に違いがみられた。中規模診療室では1994年の浮遊細菌数は少なかったが,大規模診療室では1991年に比べ1995年で落下細菌数の増加がみられた。2.重回帰式による浮遊細菌数の予測は4年後にも有効であった。3.すべての診療室で敏感度は60%以上であり,最も高い陽性反応適中率は70%であった。以上のことから,気候環境因子を使った重回帰式による気菌管理は有効であると考えられた。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ