骨格性反対咬合者の咀嚼運動経路

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タイトル別名
  • Frontal Chewing Path of Incisor Point in Skeletal Class III Patients

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抄録

本研究の目的は, 骨格性反対咬合者の咀嚼運動時の機能的特性を明らかにすることである.咀嚼運動自動分析システムを用いて正常咬合者20名と骨格性反対咬合者20名のガム咀嚼時の前頭面でみた切歯点の下顎運動を記録し, 運動経路とその安定性について, 両群間で比較検討した結果, 以下の結論を得た.1. 正常咬合者群では, 大きく2つのパターンが認められた.2. 骨格性反対咬合者群では, 20例中13例が線状のパターンを呈していた.一方, 正常者の代表的なパターンに類似したものが3例認められた.3. 開口量は, 骨格性反対咬合者群が大きく, 両群間に有意差が認められた.4. 平均咀嚼幅は, 骨格性反対咬合者群が小さく, 高度な有意差が認められた.5. 開口角は, 有意差が認められなかった.6. 閉口角は, 骨格性反対咬合者群が小さく, 高度な有意差が認められた.7. 開口時側方成分と閉口時側方成分の各SD/ODは, ともに有意差が認められなかったが, 垂直成分は, 骨格性反対咬合者群の方が大きく, 高度な有意差が認められた.以上のことから, 骨格性反対咬合者群の咀嚼運動経路は, 不安定な線状のパターンと大きい開口量を呈することが示唆された.

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