Electrolyte depletion syndrome を呈した直腸絨毛腫瘍の1例

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  • A Case of Villous Tumor of the Rectum with Electrolyte Depletion Syndrome

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抄録

症例は65歳の女性で, 2年前より時々粘液便, 下血を認めていたが, 増悪したため当科を受診した.大腸内視鏡所見では, 歯状線より1cm口側の下部直腸から約13cmにわたる全周性の絨毛腫瘍を認め, 生検で高分化腺癌を伴う絨毛腺腫であった.経過中にNa 117mEq/l, K 2.1mEq/l, Cl 60mEq/lと電解質の著明な低下を認め, electrolyte depletion syndrome(以下, EDSと略記)を呈した.補液にて電解質異常を改善後に腹会陰式直腸切断術, 右卵巣腫瘍摘出術を施行した.切除標本で15×12cmの全周性の絨毛腫瘍を認め, 病理組織学的検査では絨毛腺腫でm癌を伴っていた.術後1年10か月の現在, 再発を認めず, また電解質異常もない.EDSを伴った大腸絨毛腫瘍の本邦報告例は検索しえた範囲で自験例を含め55例であり, 若干の文献的考察を加えて報告する.

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被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (26)*注記

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