生産システムのスウェーデン・モデルをめぐって : フォーディズム・カルマリズム・ウデヴァリズムの生産システムの特質(平尾武久教授追悼号)

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タイトル別名
  • On the Swedish Model of Production System : Features of production systems of Fordism, Kalmarism and Uddevallism(In Memory of Prof. Takehisa Hirao)

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抄録

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福祉国家と呼ばれるスウェーデンでは,長い安定的な労使関係のもとで,積極的な産業政策が採用され,イギリスに端を発してノルウェーなど北欧諸国で発展した社会・技術システム論の実践の場として,1970年代からユニークな生産システムが導人されてきた。テイラリズム,フォーディズムに基づく大量生産型の生産システムに代わって,効率性と人間性とを適合させ,コンベア・ベルトによる流れ生産ラインを廃止して「自律的作業チーム」による新しい生産システムが,総合輸送機械メーカーのボルボなどスウェーデン企業で実践されてきた。その思想やシステムは,同社に因んでボルボイズムと呼ばれたり,働く人間の要求に合わせて工場の形や技術システムを転換し,少人数チームで全車組立を行う組織・管理システムを形成したカルマル工場やウデヴァラ工場にちなんで,カリマリズムとかウデヴァリズムと呼ばれている。本稿では,これらをスウェーデン・モデルの生産システムの実証例としてとらえ,その特質と動向を探る。

収録刊行物

  • 産研論集

    産研論集 21 259-288, 1999-03-30

    札幌大学

被引用文献 (1)*注記

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