TBLB にて他疾患とまぎらわしい所見が得られた肺癌 : 癌組織中の肉芽腫と器質化

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タイトル別名
  • Cases of Lung Cancer with Misleading TBLB Specimen Findings

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抄録

今回, 我々は肺の限局性陰影に対しTBLBを施行し, 肉芽腫あるいは器質化像のみがみられた症例で, 後に肺癌と診断された症例を選別した。次に切除された標本について, 癌組織と肉芽腫あるいは器質化像が混在して, あるいは隣接して認められる頻度を調べた。肉芽腫は肺野型肺癌91例中10例(11.1%)にみられ, その内訳は異物肉芽腫3例, 肺結核2例, サルコイドーシス1例, サルコイド反応4例であった。また, 器質化像は91例中18例(19.7%)にみられ, 扁平上皮癌巣の周辺に多くみられる傾向にあった。以上より, TBLBにおいては肺癌患者であっても, 癌組織に対する肉芽腫などの反応や器質化像のような二次性変化のみが得られる可能性もあることから, 臨床的に肺癌が疑われる場合, さらに検査を進める必要があることを報告した。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 11 (5), 460-465, 1989

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (2)*注記

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