カイガラカツギ属ヤドカリの1新種 <Mem. Natn. Sci. Mus., Tokyo>Occurrence of a New Hermit Crab of the Genus Porcellanopagurus in the Sea of Japan

この論文にアクセスする

この論文をさがす

著者

抄録

東京大学海洋研究所所属の調査船「淡青丸」によって(TK75-6次航海), 富山湾と付近海域から採集された甲殻類資料中に, ホンヤドカリ科カイガラカツギ属 Porcellanopagurus のヤドカリ1個体が見出された。採集地点は能登半島東側の飯田湾, 水深36m である。この属には従来5種(ニュージーランド南方海域に分布する P. edwardsi FILHOL, オーストラリア東南部産の P. tridentatus WHITELEGGE, チリー沖ファンフェルナンデス諸島産の P. platei LENZ, 相模湾から東支那海にかけて分布するカイガラカツギ P. japonicus BALSS, 小笠原諸島産のチビカイガラカツギ P. truncatifrons TAKEDA)が知られている。これらはヤドカリとはいえ, その和名が示すように, 巻貝を利用することはなく, 二枚貝の半片や破片を背負うという特異な習性をもっている。腹部は短小で, 尾節および尾肢は左右相称である。 飯田湾産の標本はいわゆるカイガラカツギよりもチビカイガラカツギに近い。しかし, 額が発達し(チビカイガラカツギでは完全に切断された状態), 眼窩上縁が深くくぼみ, 額の幅と等長(ごく浅く, 額の幅より明らかに広い), 側縁が後方に開くため甲の輪郭は五角形に近い(後縁がほぼまっすぐであるため輪郭は横長の四角形)。甲の側縁最後歯は横に著しく突出しているのに対し, チビカイガラカツギではほとんど突出していないが, これが種の特徴といえるかどうか現在は断定できない。結果として, 飯田湾の個体はチビカイガラカツギに近縁の別種と考えられ, P. nihonkaiensis という学名を与えた。

収録刊行物

  • 国立科学博物館専報

    国立科学博物館専報 18, 141-144, 1985

    国立科学博物館

被引用文献:  1件中 1-1件 を表示

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110004313031
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00379635
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    雑誌論文
  • ISSN
    00824755
  • NDL 記事登録ID
    3111918
  • NDL 刊行物分類
    RA82(動物一般・分類・進化--無脊椎動物)
  • NDL 雑誌分類
    ZU19(書誌・図書館・一般年鑑--学術一般・博物館)
  • NDL 請求記号
    Z21-208
  • データ提供元
    CJP引用  NDL  NII-ELS 
ページトップへ