膵臓に直接浸潤を認めた残胃内分泌細胞癌の1切除例

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タイトル別名
  • A Case of Neuroendocrine Cell Carcinoma in Remnant Stomach with Direct Invasion to the Pancreas

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抄録

症例は69歳の男性で,50歳の時に十二指腸潰瘍のため幽門側胃切除,Billroth-II法,結腸後再建を施行された.平成14年11月,血液検査にて貧血を認めたため,上部内視鏡検査を施行し,残胃体部後壁にBormannIII型の腫瘍を認め,生検で低分化型管状腺癌の診断であった.CTでは壁外性発育を示す8cm大の腫瘤を認め,膵臓との境界が不明瞭であり,膵浸潤が疑われた.膵臓への直接浸潤を伴う残胃癌と診断し,残胃全摘,膵体尾部,脾臓合併切除術を施行した.病理組織学的には充実性に大小の胞巣を形成し,免疫組織化学的にsynaptophisin, chromogranin A陽性で,内分泌細胞癌と診断した.胃内分泌細胞癌は比較的まれな腫瘍で,悪性度が高く予後不良な疾患である.残胃発生例は極めてまれで,自検例を含め6例であった.

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