ペット飼育と飼い主の外向性-神経症的傾向,心身症状について A Study on the Relation between Having Pets, Extraversion : Neuroticism and Psychosomatic Symptoms

この論文にアクセスする

この論文をさがす

抄録

今回の研究では,私立の4年制K大学に通う学生316名(男性105名,女性211名)を対象に,独自に作成した(1)ペット飼育に関する実態調査と(2)対ペット尺度,そして(3)MPI,(4)GHQ 30,(5)UPIの5種の質問紙を用いて一斉調査を行った。その目的は,大学生におけるペット飼育の実態を明らかにすること,外向性一神経症的傾向といった側面からの飼い主の性格的傾向や,ペット飼育による心身両面への効果を検討することであった。また,対ペット尺度を作成することで,ペット飼育による人への影響が,具体的にはペット飼育のどういった側面と結びついているのかも検討することとした。実態調査から,現在ペットを「飼っている」者は被験者全体の31.6%(100名),「実家で飼っている」者は10.8% (34名),「以前飼っていたが今は飼っていない」者は25.9%(82名),「飼ったことがない」者は31.6%(100名)であることが明らかとなった。飼っている(た)ペットの種類においてはイヌが圧倒的に多く,それは飼いたいペットにおいても同様であった。また,現在ペットを飼っていない人における飼っていない理由としては,住んでいるところがペット禁止であるからといったものが多かった。今回,飼い主とペットとの関係を客観的に捉えるために対ペット尺度を作成したが,それについて因子分析を行った結果,3因子が抽出され,57項目中39項目が選出された。抽出された3因子については,項目の内容からそれぞれ,肯定的感情因子,関係性因子,スキンシップ因子と命名した。ペット飼育とMPI, GHQ, UPIとの関係を見たところ,ペットを飼う人は,飼ったことがない人よりも,神経症的な傾向が強い人やストレッサーに敏感な人が多いのではないかと考えられた。よって,もともとそういった特徴をもった人がペットを飼う傾向があるのではないかと思われた。対ペット尺度とMPI, GHQ, UPIとの関係を見たところ,飼い主の飼育態度と心身状態の関係は,ペットを現在「飼っている」のか,あるいは「実家で飼っているのか」といったことや,飼い主が飼育当時どの発達段階にいる(た)のかといったことと関係しているかもしれないということが考えられた。また,イヌとネコとで飼い主の飼育態度が異なるということ,異なる特性をもつペットを飼う人にも異なる特徴があるかもしれないということが考えられた。これらのことから,ペット飼育のどういった側面が人へ影響を与えているのかといったことについては,ペットを飼育している(た)時期(飼育状況)やペットの種類によって異なるであろうと推測された。以上をふまえ,今後,青年期にあたる大学生を対象に,更なる調査を行い,ペットによる人への影響をより詳細に見ていきたい。

収録刊行物

  • 臨床教育心理学研究

    臨床教育心理学研究 31(1), 83-96, 2005-03-25

    関西学院大学

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110004500196
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00252849
  • 本文言語コード
    JPN
  • データ提供元
    NII-ELS 
ページトップへ