The Forces on a Plane Aerofoil in a Wind Tunnel of the Gottingen Type, with Special Reference to Approximate Formula for the Lift.

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  • Gottingen型風洞の中に置かれた平面翼に働らく力,特に揚力の近似式に就いて

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抄録

有限な幅を持つ非壓縮性完全流體の二次元的噴流の中に置かれた平面翼の受ける力を理論的に研究することは,理論的に興味あるばかりでなく,實際問題の立場からも極めて重要である.何故かなれば,この問題はGottingen型風洞の中に矢高の小さい薄い翼型を斷面に持つ翼模型を置く樣な實際の場合と緊密な關聯があるからである.この問題は,既に十年以上も前に,佐々木達治郎博士により適當な等角寫像を應用して嚴密に解かれたが,諸種の量に對する嚴密な式が極めて複雜であるために,同博士は唯迎角が10°である場合のみの數値計算を遂行されたに過ぎなかつた.その後,佐々木博士はその理論的結果を我國に於ける幾つかのGottingen型風洞に於いて同一の翼模型に就いてなされた實驗結果と比較されたが,爾來迎角が10°以外の他の値を採る場合に就いての嚴密な數値計算は遂行されてゐない樣である.然しながら,迎角の種々の値に對する嚴密な數値計算を遂行して,噴流の自由表面が平面翼の揚力に及ぼす干渉が迎角と共に如何に變るかを吟味することは興味あることと思はれる.斯樣な吟味をすることが本論文の目的の第一のものである.一方に於いて,噴流の中に置かれた翼の受ける揚力の問題はKαRMαN, GLαUERT及びPISTOLESIによつて夫々近似的に取扱はれ,揚力に對する近似式が互に異なれる形で與へられてゐるが,もつと合理的な近似式は嚴密な式からも導出することが出來る筈である.この樣に揚力の嚴密な式からその近似式を導出することが本論文の第二の目的である.本論文の主な目的は上述の二つであるが,便宜上,問題を嚴密に解くために必要な等角寫像に關する議論から敢へて出發し,嚴密な種々の計算を遂行して先づ揚力その他の量に對する嚴密な一般式を求めた.そして,特に平面翼の中點が上流無限遠に於ける噴流の中心線上にある樣な實際的に重要な場合を考へ,迎角が5°,10°,15°である場合に對する非常に面倒な嚴密な數値計算を遂行して,平面翼の揚力が噴流の自由表面のために如何なる影響を受けるか,又その影響が迎角と共に如何に變るかを吟味した.平面翼の幅を2α,無限遠に於ける噴流の幅をD,噴流の中で平面翼の受ける揚力をL,又同じ翼が無限に擴がつてゐる流れの中に置かれた場合に受ける揚力をL_0とすると,L/L_0なる比の値は2α/Dなる比の値が増すに從つて減少することが知れる.又,2α/Dの或る一定値に對するL/L_0の値は迎角βの値が増すに從つて,極めて僅かではあるが,増加することが知れる.然し,その樣な増加の割合は極めて小さいので,βが5°,10°,15°の樣な實用的範圍の値を採る時には,此等の場合に對してL/L_0を縱軸に採り2α/Dを横軸に採つて描いた曲線は,特に2α/Dが0.15より小さい時には,殆んど互に重なつてゐると看做すことが出來る.次に,揚力及びその他の量に對する嚴密な式から出發し,相當面倒且つ困難な近似計算を遂行することによつて,平面翼の中點が上流無限遠に於ける噴流の中心線上にある場合に就いて,揚力の近似式を2α/Dの羃級數の形で求めた.斯樣な近似計算は著者の一人友近が1934年英國Cαmbridgeに滯在中他の研究の餘暇に遂行したものであるが,最近計算を再吟味しすべての結果の正しいことを確めた次第である.L/L_0に對する吾々の近似式によつて計算したL/L_0の近似値と,同じ量に對する嚴密な値とを比較して,吾々の近似式の適用範圍を吟味した.迎角βの値の如何に關係なく,2α/Dが大體0.2より小さい場合には,吾々の近似式は正確な値に充分近い樣な良い値を與へることを知つた.本論文に於いて求めた種々の量に對する嚴密な式は極めて複雜であるから,嚴密な數値計算を遂行することは非常に困難である.吾々は,迎角βが5°,10°及び15°なる三つの場合に就いて,副變數qの幾つかの値に對し嚴密な數値計算を遂行したが,同樣の計算を他の場合に繰返へすことは殆んど實現不可能に近い位である.この意味に於いて,實用的な場合にL/L_0に對して相當良い近似値を與へるところの吾々の近似式は實際的立場から見て重要であると思ふ尚ほ,吾々の近似式は平面翼の場合に對する揚力その他の種々の量の嚴密な式から導出したものであるが,矢高の小さい薄い翼に對しては適用しても差支へないであらう.又,二次元的噴流の中に置かれた平面翼を取扱つて得られた吾々の近似式は,Gottingen型風洞の中に矢高の小さい薄い翼型の斷面を持つた翼模型を置く場合に對しても,大した誤なしに,適用することが許されるであらう.實際,吾々の理論的結果を,約十年前我國に於ける幾つかのGottingen型風洞に於いて遂行された同一の翼模型に對する實驗結果と比較した結果によると,豫想の通り,吾々の近似式はGottingen型風洞の中に翼模型を置く樣な實際の場合にもかなり良く適用されるのである.

資料番号: SA4146964000

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050848249893059456
  • NII論文ID
    110004557400
  • NII書誌ID
    AA00387631
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1696/00035420/
  • 本文言語コード
    en
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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