ハイドロキシアパタイトセラミックスの骨伝導能に関する組織学的 生化学的研究

• 梅田正博

  神戸大学医学部口腔外科学教室

書誌事項

タイトル別名

• Histological and biochemical study on the osteoconductivity of hydroxyapatite ceramics

抄録

ハイドロキシアパタイトセラミックス(HAP)の人工骨としての有用性を検討するため,HAPの家兎頸骨内移植実験,脱灰骨基質(DMBM)およびHAPのラット皮下混合移植実験を行った。頸骨内移植実験においては,移植後早期よりHAP表面には骨芽細胞の配列がみられ,HAPを核として骨形成は進行し,移植部全域に新生骨形成が認められたが,90日後においても新生骨に吸収像は認められなかった。一方,骨削除のみの対照群においては,骨削除部を中心に活発な骨形成が生じるが,骨髄腔内の新生骨は吸収され. 90日後ではほぼ術前の状態にもどっでいた。皮下移植実験においては.DMBM単独移植では,良好な軟骨,骨誘導がみられたが,HAPとDMBMとを混合すると,軟骨,骨形成は低下することが認められ,一方,新生骨とHAPとの直接の接触もみられなかった。以上より,HAPは骨伝導能を有し,口腔外科領域における人工骨材料として有用性が高いものと考えられるが,その適用範囲に関しては,今後さらに検討する必要があると思われた。

収録刊行物

• 神大医紀

  神大医紀 48 45-62, 1987

  神戸大学

キーワード

• hydroxyapatite ceramics
• osteoconduction
• deinineralized bone matrix
• bone substitute

詳細情報

• CRID: 1570854176978035968
• NII論文ID: 110004646708
• NII書誌ID: AN00085973
• ISSN: 00756431
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1989208326
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • CiNii Articles