皮節配列の規則性とヒト皮節図の再評価

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  • Principles in the arrangement of dermatomes and revaluation of dermatome charts

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抄録

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動物実験より決定した感覚神経の分節性支配領域(皮節)の分布の規則性を報告し, その規則性を根拠として既存のヒト皮節図の再評価を行なった。あらかじめEvans blueを静注投与したラットの, 前肢・後肢の脊髄神経を感覚神経のC線維の興奮強度で電気刺激すると, その脊髄神経の支配領域の皮膚に色素漏出が発生した。この方法を用いてラットのC1-T1(前肢), T12-S1(後肢)脊髄神経を刺激し四肢の皮節図を決定した。四肢の皮節は体幹部の皮節と同様に, 原則として体幹前後輪を集回するループ状構造を示し, そして腹側面・背側面では中枢側に向かい四肢の中心軸へ収束し, 前側面・後側面では末梢に向かい四肢の中心軸に沿って伸長していた。ラットとヒトの四肢は解剖学的に相同関係にあり, 骨・筋・末梢神経の空間的位置関係も同一である。さらに, 今回ラットに認められた皮節分布の原則性は, 霊長類を含めた他の哺乳類においてもすでに報告されており, ヒトの皮節分布もこの原則性に従うことが演繹的に推論される。そこで, この原則性をもとに仮説的なヒト皮節図を描き, この仮説図からヒト皮節図を再評価した。その結果, 神経根切断症例より得られた野崎の図(1938年)や, 神経ブロックより決定したBonicaの図(1990年)などがこの皮節分布の規則性を比較的によく示しており, 臨床応用にふさわしい図であると結論した。

This study was undertaken to report the principles in the arrangement of dermatomes and thereby to reevaluate previously reported dermatomes. Dermatomes in rat fore and hind limbs were determined as Evans blue extravasation areas following electrical stimulation of spinal nerves, thereby principles in dermatome arrangement were determined. Dermatomes were in the shape of an elongated loop around the rostro-caudal axis of the body. The distal apex of each dermatome was aligned on the rostral and caudal axial lines of the limb and converged medially to the ventral and dorsal axial lines of the limb. Human dermatomes were determined based on the principles of dermatome arrangement revealed in rats. Based on the principles and the hypothetical dermatomes, the author proposed that the dermatome charts of Nozaki, von Lanz, and Bonica are desirable for clinical use.

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