カルシニューリンと機能的に関連する分裂酵母1,3-βーグルカン合成酵素触媒サブユニットIts2pの単離と機能解析

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  • Isolation and characterization of Its2p, a Schizosaccharomyces pombe homolog of 1,3-β-glukan synthase catalytic subunit, which is functionally related to calcineurin

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抄録

Ca^<2+>/カルモジュリン依存性蛋白質脱リン酸化酵素 (カルシニューリン) は, すべての真核生物において非常に保存されている。免疫抑制薬FK506はイムノフィリンと結合し, カルシニューリンと複合体を形成してカルシニューリン活性を阻害する。分裂酵母野生株にFK506を作用させると増殖には影響を及ぼさないが, カルシニューリン遺伝子破壊株と同じく, 細胞形態異常とクロライドイオン超感受性を示した。この結果に基づき, its (immunosuppressant- and temperature-sensitive) 変異株の単離と解析を行い, its1~8の8種類の遺伝子座位を同定した。its2変異体はcell wall integrity に異常を呈した。its2変異とカルシニューリン破壊は合成致死を示した。its^<2+>遺伝子は1, 3-β-グルカン合成酵素触媒サブユニットをコードしていた。its2変異株膜画分の1, 3-β-グルカン合成酵素活性は野生株と比べて, 軽度減少していた。its^<2+>遺伝子の発現はカルシニューリン依存性に誘導された。its2変異とΔpmk1あるいはΔpck2, それぞれとの二重変異はits2変異株の温度感受性を部分的に抑圧した。以上より, 分裂酵母1, 3-β-グルカン合成酵素はカルシニューリンとPmk1 MAPキナーゼおよびPck2経路により拮抗的に調節を受けていることが示唆された。

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