膝前十字靱帯再建術後に生じる移植腱の荷重緩和に関する生体力学的研究 : 荷重緩和の構造方程式を用いた経時的解析法

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  • Biomechanical study of stress relaxation after graft fixation in anterior cruciate ligament reconstruction : An application of constitutive equation for stress relaxation

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抄録

目的 : 膝前十字靭帯再建術後に生じる移植腱の荷重緩和を経時的に解析し, 移植腱に対する前処置の方法ならびに固定方法による再建靭帯の張力低下の差異を比較検討した。方法 : 新鮮凍結保存された人膝関節を用い, 移植膝蓋腱に50Nの初期荷重を加えた後の荷重緩和を測定した。準線形粘弾性理論より導出された荷重緩和の構造方程式を実験値より求め, 前処置を加えない対照群や前処置モデル群, 移植腱固定モデル群間の荷重緩和の比較には, 本理論式の2定数を用いて検討した。結果 : 対数時間軸上の直線を意味する本理論により, 極めて正確な荷重緩和の描出が可能であった。理論式の定数の比較では, 直線の負の傾きが前処置により有意に低下していた事から, 経時的に検討すると, 移植腱に残存する荷重は無処置群に比して前処置群で高くなった。また固定法に関しては, ボタンや fixation post に縫合糸を結びつける方法に対して interference fit screw 固定群での荷重緩和の負の傾きが有意に小さかった。結論 : 移植腱に対する前処置の張力維持効果, ならびに再建靭帯の荷重靭帯の荷重緩和の張力維持に対す interference fit screw 固定法の有効性が明らかになった。

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