内側型変形性膝関節症患者の歩行分析に関する研究

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  • Gait Analysis of the Patients with Varus Osteoarthritic Knees

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抄録

内側型変形性膝関節症患者 (膝OA) にみられる lateral thrust を定量評価する目的で若年健常者10列, 高齢健常者23例, 膝OA患者41例 (進行期OA28例, 末期OA13例) の歩行分析を行った。歩行分析には赤外線反射マーカーの反射光を撮影するELITE SYSTEMと床反力計を用い, これらを同期させて分析した。身体表面につけたマーカーの空間座標を計測し, 歩行速度, 歩調, 膝の側方移動距離を検討した。高齢健常者は若年健常者に比較して歩行速度は小さく, 膝の側方移動距離は大きかった。高齢健常者と進行期OAでは歩行に有意な差はなく末期OAになると歩行速度, 歩調が小さくなり, 膝の側方移動距離は大きくなった。膝の側方移動距離の測定は身体全体の側方動揺を反映している可能性があるが, 臨床的に認められる lateral thrust を定量化するパラメーターとして有用であった。また, 膝OA患者に外側模状足底板を装着すると, 進行期OA, 末期OAともに歩行速度, 歩調に変化はみられず, 膝の側方移動距離が減少し (p<0.01), 膝OAの保存的治療の有効性を示唆するものであった。

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