ヒトRANK ligand遺伝子の5'側上流領域の解析

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  • Characterization of the 5'-flanking region of the human RANK ligand gene

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抄録

破骨細胞分化因子 (RANK ligand) は骨芽細胞に発現する膜貫通性蛋白で, 破骨細胞前駆細胞上の受容体RANKと結合し破骨細胞分化のシグナルを伝達す訓種々の骨吸収因子はRANKL発現調節を介して破骨細胞形成を冗進ずると考えられている。本研究では1a, 25(OH)_2D_3による破骨細胞形成の分子機序を解析するために, ヒトRANKL遺伝子5 '側上流領域をクローニングし, 1a, 25(OH)_2D_3によるRANKL転写調節機構について検討した。ヒトRANKL遺伝子の基本転写調節部位には逆TATA, CAATボックスがあり既報のマウスRANKLプロモーターとの類似性を認めた。ゲルシフトアッセイでは3箇所の vitamin D_3 結合配列 (VDRE) 類似配列のうち最上流 (-1584/-1570) のAGGTCAAAGACTACAがVDR, RXRaヘテロダイマーと in vitro での結合性を示した。核蛋白抽出物とステロイドホルモン受容体に対する抗体を用いたゲルシフトアッセイでもVDR, RXRaヘテロダイマーが同配列に結合することが示された。ヒト骨肉腫細胞株SaOS_2に対する一過性遺伝子導入実験では, 1a, 25(OH)_2D_3はVDREを含むRANKLプロモーターコンストラクトの転写活性を促進したが, VDREを欠失したコンスラクトやVDREに変異を導入したコンストラクトに有意な作用を示さなかった。以上より1a, 25(OH)_2D_3は骨芽細胞に作用して, 遺伝子5 '側上流に存在するVDREを介してRANKL遺伝子発現冗進を誘導することにより破骨細胞形成を促進することが示唆された。

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