免疫抑制薬感受性と温度感受性を示す分裂酵母its4変異体の単離と解析

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  • Isolation and characterization of the immunosuppressant and tempaerature-sensitive its4 mutant of fission yeast

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抄録

カルシニューリン (CN) は真核生物全てに存在するCa^<2+>/カルモデュリン依存性脱リン酸化酵素であり, 免疫抑制薬FK506/シクロスポリンの標的分子でもある。分裂酵母において, CN遺伝子を破壊しても致死ではないが, 細胞質分裂, CI^-ホメオスタシスの異常を示す。我々は, CNの生理機能を明らかにする目的で, 免疫抑制薬感受性かつ温度感受性を示すits (immunosuppressant-and temperature-sensitive) 変異体を単離した。ここでは, its4変異体の単離と機能解析について報告する。its4^+遺伝子は, 酵母からヒトまで高度に保存された1807アミノ酸残基よりなる機能未知の蛋白質をコードしていた。遺伝子破壊の結果, its4^+遺伝子増殖に必須であることが明らかとなった。過剰発現によりits4^+変異体の温度感受性を抑圧する遺伝子として, 分裂酵母の protein kinase C をコードするpck1^+遺伝子を取得した。its4^+変異体は, 高温下あるいはFK506存在下で著しい細胞質分裂異状を示すが, 恒常的活性化型のCNを発現させると部分的に細胞質分裂異状が回復する。以上の結果から, 分裂酵母においてCNとlts4が細胞増殖のみならず, 細胞質分裂においても必須機能をシェアすること, さらにlts4蛋白質はCキナーゼを介するシグナル伝達経路においても機能する可能性が示唆された。

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