千葉大学病院において生体部分肝移植手術を実施した8症例

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  • Eight cases of living donor liver transplantation in Chiba University Hospital.

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抄録

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千葉大学医学部附属病院において2000年3月から, 2003年8月まで8例の生体部分肝移植手術を施行した。5例が18歳未満(7ヶ月, 4歳, 12歳, 13歳, 17歳)の小児例, 3側が18歳以上(22歳, 55歳, 59歳)の成人例であった。2例(7ヶ月, 4歳)の小児例は左外側区域グラフトであるが, 他の6例はすべて右葉グラフトであった。2側が肝不全, 肺炎のため移植後3ヶ月, 2ヶ月で死亡となったが他の6例は健存中であり, 元気に社会生活を送っている。第1例目は2000年3月6日に実施した13歳男児のウイルソン病性肝不全症例に対する(ドナー;姉22歳, 右葉グラフト)生体部分肝移植である。現在, 肝移植後4年3ヶ月が経過したが, 肝機能, 銅代謝は正常化し, 神経症状も全く見られていない。第2例目は2000年11月23日に実施した12歳男児の亜急性型劇症肝炎症例である(ドナー;母親42歳, 右葉グラフト)。術前, 肝性昏睡度Vとなり, 痛覚反応も消失するほどの昏睡状態であったが, 術後3日でほぼ完全に意識は回復し, 神経学的後遺症をまったく残さず退院となった。現在, 術後3年7ヶ月年が経過したがプログラフ(タクロリムス)のみで拒絶反応は全く見られず, 元気に高校生生活を送っている。第3側目は2001年7月2日に実施した生後7ヶ月男児の先天性胆道閉鎖症術後症例である。母親(30歳)からの左外側区域グラフトを用いた生体部分肝移植であったが, 術後, 出血, 腹膜炎により, 2回の開腹術, B3胆管閉塞のためPTCD, さらに急性拒絶反応も併発し, 肝機能の改善が見られず, 術後管理に難渋したが, 術後1ヶ月ごろより, 徐々にビリルビンも下降し始め, 病態も落ち着いた。術後6ヵ月目に人工肛門閉鎖, 腸管空腸吻合を行い, 現在, 2年11ケ月が経過し, 免疫抑制剤なしで拒絶反応は見られず,

Living donor liver transplantation (LDLT) has been established as the therapeutic strategy for the rescue of terminal liver disease in Japan. We performed LDLT on eight cases with terminal liver disease in the Chiba University Hospital from March, 2000 to August, 2003. The original diseases of recipients were genetic metabolic disorder in two cases, hepatic failure in two cas

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