幼児の言語活動の発達に関わる要因分析

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タイトル別名
  • ヨウジ ノ ゲンゴ カツドウ ノ ハッタツ ニ カカワル ヨウイン ブンセキ
  • Analysis of verbal development processes in young children

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抄録

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幼児期の「話しことば」及びそれに関わる要因の発達過程を458名の幼稚園児を対象に分析した。「話しことば」に関わる基礎的要因として, 語い, 性格, 交友関係, 知識・表現をとりあげた。年齢に伴い, 語い年齢, 知識・表現は当然のことながら上昇した。保育年数が増加するにつれ, 孤立児は減少し, また知識・表現も上昇した。性差は性格にみられ, 男児は女児より「活動性大」「反抗的」で, 女児は男児より「あたたか」であった。「話しことば」の行動評定の結果は, 年齢にともなってほとんどの項目で評定段階が上昇すること, また, 一部の項目で男女差, 保育年数による差のあることを示した。「話しことば」の行動評定を因子分析したところ, 5歳児では「遊びの中のことば」「意志・意見の表明」「教師への話しかけ」「しつけられることば」の4因子, 4歳児では「遊びの中のことば」「教師への話しかけ」「しつけられることば」の3因子, 3歳児では「子ども同士の会話」「教師への働きかけ」の2因子が抽出され, 発達に伴い「話しことば」は分化していった。5歳児で抽出された4因子に基づいて因子得点を算出した。「意志・意見の表明」以外の3因子で5歳は4歳より高く, 「遊びの中のことば」「しつけられることば」は保育年数が多い程高かった。「意志・意見の表明」は性格検査の「反抗的」と負相関, 「教師への話しかけ」が「あたたかさ」と正相関を示した。さらに社会的地位指数と「遊びの中でのことば」は正相関, 「意志・意見の表明」と負相関であった。これらの大まかな発達傾向について日常の保育との連携の中で, さらに詳細に検討を行う。

source:Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University. Part I

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