消化管出血を契機に発見された異所性膵癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Adenocarcinoma Arising in Heterotopic Pancreas with Gastrointestinal Bleeding

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抄録

症例は75歳の男性で,下血を主訴に入院した.十二指腸第二部乳頭対側の粘膜下腫瘤からの出血の診断で内視鏡的止血術,血管造影下塞栓術を試みたが止血困難であり,緊急事術となった.十二指腸部分切除にて腫瘤を切除し,術中迅速病理検査で十二指腸壁内の迷人腺管から発生した高分化型腺癌と診断されたため,幽門輪温存膵頭十二指腸切除を追加施行した.術後の免疫組織学的検索にて異所性膵より発生した膵癌と診断した.異所性膵に発生した悪性腫瘍の報告は非常にまれであり,術前に正確な診断をつけることは困難である.異所性膵の手術においては悪性化の可能性を念頭におき,術中迅速病理検査を行い手術方針を決定することが必要である.

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