胆道穿孔で発症した先天性胆道拡張症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Ruptured Choledochal Cyst in an 11-Month-Old Girl
  • 症例報告 胆道穿孔で発症した先天性胆道拡張症の1例
  • ショウレイ ホウコク タンドウ センコウ デ ハッショウ シタ センテンセイタンドウ カクチョウショウ ノ 1レイ

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抄録

胆道穿孔は,先天性胆道拡張症における稀な合併症の一つであり,その治療方法,根治術の時期に関してはいまだ統一された見解はない.今回我々は,胆道穿孔で発症し,一期的に分流手術を行った先天性胆道拡張症の1例を経験したので報告する.症例は11カ月,女児.嘔吐,下痢で発症.高アミラーゼ血症,胆道系酵素の上昇,および総胆管拡張を認めたため先天性胆道拡張症が疑われ,当科入院となった.腹部CTにて多量の腹水,胆道排泄シンチにて核種の腹腔内への漏出を認めた.胆道穿孔による胆汁性腹膜炎と診断し,入院3日目に開腹術を施行した.開腹時,大量の胆汁性腹水を認め,三管合流部総胆管前面の2カ所に穿孔部を認めた.術中胆道造影にて共通管内にprotein plugを認めたため,胆石除去カテーテルにて除去したのち,一期的に分流手術を施行した.術後40日に経過良好にて退院となった.全身状態が良好であり,胆道組織に過度の炎症所見を認めず,胆管に閉塞機転がなければ,先天性胆道拡張症の胆道穿孔例に対して一期的手術は可能である.

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