胆管癌術後のMRSA肺炎およびEnterococcusによる腹腔内感染に対しlinezolidが著効した1例

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タイトル別名
  • タンカン ガン ジュツゴ ノ MRSA ハイエン オヨビ Enterococcus ニ ヨル フクコウ ナイ カンセン ニ タイシ linezolid ガ チョコウシタ 1レイ
  • MRSA/Enterococcal Infection Following Biliary Surgery Treated Successfully with Linezolid : Report of a Case

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抄録

肝門部胆管癌術後のmethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA)肺炎およびEnterococcus腹腔内感染に対して抗菌薬linezolid (ZYVOX^<[○!R]>)が著効した1例を経験した.胆道癌術後感染症に対する抗菌薬選択を考える際に示唆に富む症例と考えられたので報告する.症例は75歳女性.肝門部胆管癌に対し,拡大肝右葉切除術・肝外胆管切除術が施行された.術後5病日に呼吸状態が悪化し人工呼吸器管理となり,MRSA肺炎およびEnterococcusによる腹腔内感染と診断された.linezolid投与開始後,24時間以内に肺炎像の改善,解熱が得られ著効と判断された.本邦では,MRSAによる術後感染症が多い.さらに,胆道癌術後感染の起因菌としてEnterococcus属が重要であることを考慮すると,MRSA/Enterococcusの両者に有効とされるlinezolidは,胆道癌術後感染に対し考慮されるべき抗菌薬の1つである.

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