琵琶湖におけるオオクチバスフロリダ半島産亜種(Micropterus salmoides floridanus)のミトコンドリアDNA調節領域の多様性と導入起源

  • 青木 大輔
    環境NPO外来魚バスターズ:大阪府立大学大学院生命環境科学研究科:大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 植物バイオサイエンス分野資源植物学研究室
  • 中山 祐一郎
    環境NPO外来魚バスターズ:大阪府立大学大学院生命環境科学研究科
  • 林 正人
    環境NPO外来魚バスターズ:東京大学大学院情報理工系研究科:科学技術振興機構ERATO今井量子計算機構プロジェクト
  • 岩崎 魚成
    環境NPO外来魚バスターズ

書誌事項

タイトル別名
  • Genetic diversity and origin of Florida largemouth bass (Micropterus salmoides floridanus) introduced into Lake Biwa inferred from the mitochondrial DNA control region
  • ビワコ ニ オケル オオクチバス フロリダ ハントウサン アシュ Micropterus salmoides floridanus ノ ミトコンドリア DNA チョウセツ リョウイキ ノ タヨウセイ ト ドウニュウ キゲン

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抄録

滋賀県琵琶湖におけるオオクチバスフロリダ半島産亜種の導入起源を検討するために、琵琶湖と西ノ湖(琵琶湖水域)のオオクチバス集団の遺伝的多様性を調査し、フロリダ半島産亜種の国内への導入記録のある奈良県池原貯水池のオオクチバス集団および九州地方の水産業者のオオクチバス養殖個体と比較した。2003年に採集した琵琶湖の9地点と西ノ湖産の107個体、奈良県池原貯水池産の39個体、水産業者から購入した10個体を供試して、ミトコンドリアDNA調節領域の塩基配列に基づくハプロタイプをダイレクトシーケンス法またはSSCP分析によって同定した。全156個体から、名義タイプ亜種のハプロタイプ3種類とフロリダ半島産亜種のハプロタイプ10種類が認められた。琵琶湖水域から検出された4種類のフロリダ半島産亜種のハプロタイプはすべて池原貯水池にみられた。水産業者から購入した個体からはフロリダ半島産亜種のハプロタイプは検出されなかった。集団のハプロタイプ頻度に基づくAMOVAでは琵琶湖水域の集団間に有意な遺伝的異質性が認められた。これらから、琵琶湖水城には池原貯水池に移殖放流されたフロリダ半島産亜種と共通の系統群が複数回導入されたと考えられた。

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被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (30)*注記

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