原住民地域における観光デザインの役割と方針 : 台湾花蓮県の阿美族集落 : 太巴朗と馬太鞍における原住民観光の実態比較を通して

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タイトル別名
  • Roles and Principles of Tourism Design in Aboriginal Region : Comparative Study between the Amis Aboriginal Tafalong and Fata'an Communities in Taiwan

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抄録

台湾の原住民地域においては、近年、地域づくりの方策として観光発展が重要視され、「原住民が主体となった観光」という概念が提起されている。こうした現状を踏まえ、本稿では、「原住民が主体となった観光」を創生することの重要性を考察するとともに、「観光デザイン」の役割と方針を検討した。台湾・花蓮県の太巴朗と馬太鞍の2つの原住民集落における現地調査に基づいて比較解析すると、両集落にはそれぞれにアイデンティティを有した観光活動が展開されているものの、相対的に、前者は「これまでの観光文化」の延長線上にあり、後者には「観光デザイン」の視点が組み込まれて「新たな観光文化」の創生がみられることがわかった。この解析を踏まえ、本稿では、「観光デザイン」の重要性を再認識しつつ、「原住民が主体となった観光」を創生していくための指針として、(1)地域デザインの自主権を住民に返すこと、(2)「影も見る・影も見せる観光」を創生すること、(3)「ホストが見る観光」をデザインすること、(4)新たな目で地域解説員の役割を考えることの4つを提起した。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 53 (2), 49-58, 2006

    一般社団法人 日本デザイン学会

参考文献 (17)*注記

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205409914880
  • NII論文ID
    110004782435
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.53.49_1
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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