神経衰弱,慢性疲労症候群(CFS),うつ病の三者間における概念と診断 : 3症例の検討を通して

書誌事項

タイトル別名
  • Concepts and Diagnoses among Neurasthenia, Chronic Fatigue Syndrome (CFS) and Depression : Study of Three Cases with Similar Symptoms
  • 症例研究 神経衰弱,慢性疲労症候群(CFS),うつ病の三者間における概念と診断--3症例の検討を通して
  • ショウレイ ケンキュウ シンケイ スイジャク マンセイ ヒロウ ショウコウグン CFS ウツビョウ ノ 3シャ カン ニ オケル ガイネン ト シンダン 3 ショウレイ ノ ケントウ オ トオシテ

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抄録

神経衰弱,慢性疲労症候群(CFS),うつ病の三者が疑われる3例の診断と治療・経過を紹介し,問題点を指摘し,今後の研究に対する提案を行った.症例1は疲労を主訴にインターネットの情報からCFSを疑って受診してきたがCFS疑診例であり,症状からICD-10の神経衰弱と診断し治療したが軽快に止まった.症例2もCFSを自己診断していたが,客観的所見に乏しく身体表現性障害と考えて治療していたとこう,妄想が明らかになり妄想性障害に診断を変更した.症例3は抑うつエピソード以前から身体徴候があり,リンパ節腫脹,関節痛,咽頭炎の症状からCFSと診断し,治療の結果ほぼ完治した.CFSと神経衰弱は社会的背景・症状が似ており,両者は文化的変異形と考えられる.れが国における神経衰弱の乱用ともいえる現状を考えると,CFSを積極的に診断し治療していくことが患者・家族の福利につながり,疲労の脳機能の解明にも貢献すると考えた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 46 (10), 897-905, 2006

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (27)*注記

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