石灰質ナンノ化石による後期新生代地質年代の決定精度とテフラ層序(<特集>指標テフラと鮮新-下部更新統)

書誌事項

タイトル別名
  • Validity of the latest Cenozoic calcareous nannofossil datums and its application to the tephrochronology(<Special issue>Tephrochronology and Plio-Lower Pleistocene in Japan)
  • 石灰質ナンノ化石による後期新生代地質年代の決定精度とテフラ層序
  • セッカイシツ ナンノ カセキ ニ ヨル コウキ シンセイダイ チシツ ネンダイ ノ ケッテイ セイド ト テフラ ソウジョ

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抄録

北大西洋で設定された最上部新生界の石灰質ナンノ化石対比基準面を古地磁気層序および酸素同位体層序と比較し,少なくとも第四系は10万年のオーダーで年代決定が可能であることを改めて指摘した.その結果から房総半島および本邦に分布する海成第四系に発達するテフラの地質年代を石灰質ナンノ化石層序から総括し,近年報告された広域テフラ対比が支持できることを示した.また,石灰質ナンノ化石層序と酸素同位体ステージとの関係に基づいて,上総層群に認められるテフラ鍵層と酸素同位体ステージとの関係もあわせて明らかにした.一方,鮮新世の石灰質ナンノ化石群集は,日本海側が北極海域の群集と類似し,太平洋側が低緯度海域の群集に対比される.これは鮮新世の古海洋が日本列島を挟んだ東西でまったく異なった生物地理区を形成していたことを示唆する.本論ではその群集変化が,パナマ地峡の成立と関連した鮮新世古海流の変遷によることを述べた.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 53 (4), 265-274, 1999

    地学団体研究会

被引用文献 (47)*注記

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参考文献 (27)*注記

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