速乾性擦式消毒剤による手指消毒後のセレウス菌などのグラム陽性有芽胞桿菌の残存

書誌事項

タイトル別名
  • Survival of Gram-Positive Spore-Forming Bacteria Including <i>Bacillus cereus</i> after Hand Washing Using Alcohol-Based Handrub
  • ソッカンセイサツシキ ショウドクザイ ニ ヨル シュシ ショウドク ゴ ノ セレウスキン ナド ノ グラム ヨウセイユウガホウカンキン ノ ザンソン

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抄録

手洗いおよび手指消毒は最も基本的な感染防止策である. 現在, 速乾性擦式消毒剤による手指衛生が国際的なゴールドスタンダードとなっている. しかし, 我々の調査では, 2004年に10.4%(48人中5人), 2005年に34.3%(35人中12人)と多くの無効例が認められた. 2005年の検体について, コロニーの形態より円形, 不整形, 拡散性コロニーに大別し, 残存菌の性状を調べた. 円形コロニーはブドウ球菌属の菌であり, 不整形・拡散性のコロニーはグラム陽性有芽胞桿菌であると考えられた. 消毒後の菌数が消毒前と同数以上あるいは300個以上の無効例の中で, ブドウ球菌属の菌が残存したと考えられる場合が3例, セレウス菌を含むグラム陽性有芽胞桿菌が残存したと考えられる場合が9例であった. 医療現場では, 速乾性擦式消毒剤による手指消毒を過信することなく, 必要に応じて滅菌手袋の着用などの対策を講じるべきである.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 28 (4), 401-410, 2006

    学校法人 産業医科大学

被引用文献 (1)*注記

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