支笏火山噴出層年代の再検討

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タイトル別名
  • Tephrochronological reconsideration on Shikotsu Pumice Flow and Fall Deposits, Hokkaido, Japan
  • シコツ カザン フンシュツソウ ネンダイ ノ サイケントウ

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抄録

支笏火山噴出物層に関わる19の炭素14年代について試料の産状と年代値についてのべ,併せて既往の測定値との整合性を勘案して支笏火山噴出物の堆積年代について検討し,以下のような結論を得た.Spfl層の堆積年代は40,360±820y.B.P.,Spfa1層は41,000y.B.P.前後である.両者の間には堆積学的な間隙が認められないこと,両層にまたがる化石林が存在することなどから両層はほぼ同時の堆積と考えられ,その時期は凡そ41,000y.B.P.前後であろう.Spfa1層(41,000y.B.P.)とSpfa2層(44,000y.B.P.〜42,000y.B.P.)とは密接に相伴って産するが,両層の間には多くの場合ロームの薄層が介在するなどある程度の堆積間隙が推定されることから,Spfa2層の噴火と堆積は,42,000y.B.P.前後(幅は41,000y.B.P.から44,000y.B.P.間)と考えるのが妥当であろう.Spfa3〜6層では,42,500±1,200y.B.P.と>50,000y.B.P.の値が得られ,既往のデーターにはSpfa3層で45,500y.B.P.,Spfa4層では49,200y.B.P.が得られているが,Spfa3〜6層は上位のSpfa2層との関係から,その堆積年代は43,000y.B.P.より古く46,000y.B.P.前後迄の活動と考えるのが妥当であろうと推定した.Spfa7〜10層の測定値を筆者らは得ていないが,既往の49,800±3,100y.B.P.の年代値から推定して46,000年より古く50,000y.B.P.前後より新しい時期の活動ではないかと考えられる.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 55 (3), 145-156, 2001

    地学団体研究会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (35)*注記

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