インフレ・ターゲティング採用後におけるインドネシアの金融政策波及経路

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タイトル別名
  • インフレ ターゲティング サイヨウゴ ニオケル インドネシア ノ キンユウ セイサク ハキュウ ケイロ
  • The Channel of Monetary Transmission in Indonesia Adopting Inflation Targeting

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抄録

インドネシアは2000年以降, 通貨の安定を最優先課題とし, 為替レートの安定も考慮したインフレ・ターゲティングを金融政策のフレームワークとしてきた。このような状態に加え, いわゆる公開市場操作が不十分な状態であるとされる金融システムにおいて, 果たしてインフレ・ターゲティングの効果的な実施は可能であろうか。2003年以降, インフレ目標を達成している背景には, 偶然ではない, 理論的な政策運営の成果が見て取れるのだろうか。本稿では実証分析にインドネシア経済を反映した構造VARモデルを用いることで, そのインパルス応答関数の形態と分散分解を検証し, 政策波及経路を明らかにした。結果, インドネシアが現実の政策と同様, 中央銀行債残高の調整から貨幣量の伸び率を誘導することで, 物価をコントロールしていることを確認できたが, 誘導目標を金利へ変更する過程にあることも明らかとなった。

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 107 (2), 90-103, 2006-09

    大阪市立大学経済学会

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