食後に離人症体験,おかしみの情動,失語から始まるeating epilepsyの1例

  • 斎木 英資
    京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学
  • 池田 昭夫
    京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学
  • 石倉 大輔
    京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学
  • 下濱 俊
    京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学
  • 高橋 良輔
    京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Eating Epilepsy with Depersonalization, Funniness and Aphasia

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抄録

本邦では食後にのみ発作を生じるeating epilepsy(EE)の報告はまれである。我々は26歳男性のEE例を報告する。症例は一連の前兆を20歳時に発症、24歳時に意識消失を伴う発作、26歳時に全身痙攣発作を来した。前兆、発作は全て食後1時間以内に生じていた。てんかんの家族歴はなく、一般内科学的所見、神経学的所見に異常を認めず、頭部MRI、FDG-PETも正常であった。脳波では明瞭な発作波の確認には至らなかったが、左中側頭部に間欠性不規則徐波とてんかん性放電を疑わせる所見が得られた。本例では患者自身による前兆の記述が得られ、その特徴は機械的なリズム感を伴う離人症体験、おかしみの情動、言語理解・表出障害であった。病態機序として、食事による胃の拡張が自律神経系上行路を刺激し、惹起された辺縁系でのてんかん性活動が言語領野に拡がることによって意識消失を伴わない前兆をもたらしたことが考えられた。<br>

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 24 (2), 63-67, 2006

    一般社団法人 日本てんかん学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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